いったいどこまで広がるのでしょうか。事故米を使って製造したでんぷんが使用された可能性のある卵製品は上越市内の幼稚園、保育園、小中学校の給食でも使われていました。また、ディサービスセンターなどの8つの高齢者福祉施設で、メラミン混入の可能性のある加工品も提供されていました。きょうの夕方、上越市は、市議会の文教経済常任委員会と厚生常任委員会の合同委員協議会で、これらの実態について詳細に説明しました。
幼稚園、小中学校で事故米使用の可能性のある手づくり厚焼玉子などの卵製品を使用していたのは、平成15年から今年の5月までに市内76小中学校のうち66校、市立幼稚園2園にものぼります。小中学校ではこの間、23万7184食で使用していました。保育園は公立保育園45園のうち1園、私立保育園17園中1園で、平成15年から平成19年1月の間に延べ1624食使われていました。でんぷんの配合比率は0.6%から1.2%でした。市の説明によると、健康被害の報告はないということですが、該当園・校の保護者にお知らせし、引き続き情報収集していくということでした。
今回の問題の発端は、農水省から事故米を購入した長岡市の島田化学工業(株)がでんぷん加工の原料として使ったことにあります。食用には回らない担保がない中でなぜ販売したのか、国の責任は大きい。島田化学工業については、新潟県が同社に農薬試験米を販売していたことも明らかになっています。
合同委員協議会は市民の怒りを代弁する発言が相次ぎました。卵製品を使用した学校が統一献立、一括購入をしている合併前小中学校やセンター方式をとっているところに多いことや自主的調査が弱かったのではないかとの発言がありました。わが党議員団の上野、平良木議員は、新潟県が直接関与している農薬試験米についても徹底的に調査するよう県に働きかけるべきだと訴えていました。一連の発言を聞きながら思ったのは、食品が競争原理に支配された時の恐ろしさです。学校給食の民間委託は絶対に広げてはいけないと思いました。