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「時間切れ行政の必勝」

 きょうは上越市自治基本条例施行記念フォーラム(画像)の日でした。第一部で基調講演をした辻山幸宣先生は、旧吉川町時代からたいへんお世話になった方です。自治基本条例をまちづくりにどういかしていくかが講演テーマでしたが、直江津図書館等整備問題を頭に浮かべながら、聴かれた方がたくさんおられたのではないでしょうか。市民の権利はどうだったか、市長や議会の責務はどうであったか等など。それぞれの持ち場でこの条例を考えると、とても勉強になる講演だったと思います。

 辻山先生は政策形成過程への市民参画のひとつ、パブリックコメントについてふれ、「これからは以前よりも1か月前倒ししなければなりません」と語られました。そのとおりです。第二部の自治基本条例を語る会で山岸議長は、今回の直江津図書館の件でいくつかの会派から議会として議会報告会をやるべきだと提案があったとのべました。そのひとつは私たちの議員団です。今後、定期的に議会報告会を開催していきたいと議長は市民に約束しましたが、議会内にいくつかのチームをつくって全市をまわればよいと思います。

 この日のフォーラムが6月議会前に行われておれば、直江津図書館等の問題は違った展開をしていたはずです。まず、パブリックコメントの扱いの状況からいって、6月議会に提案できなかったと思います。議員の質疑や質問を市民にわかりやすくするために委員会での議論にプロジェクターを持ち込む委員も出てきたかも知れません。議会報告会、あるいは市民の声を聞く会を開く会派は私たちだけでなく、複数にのぼったでしょう。どうあれ、自治基本条例をもっと意識してこの問題を考えたはずです。講演が終わって休憩時間に辻山先生と言葉を交わしました。先生いわく、「レジュメを送ってから図書館問題を知ったけど、『時間切れ行政の必勝』と書いていたのでびっくりしたよ」。もし、7月4日の契約期限が延長されていたら、どうなっていたでしょうか。

 夜、久しぶりにテレビをゆっくりみました。NHK衛星で放映されていた黒澤明監督の『醜聞(スキャンダル)』です。画家役の三船敏郎と弁護士役の志村喬の見事な演技に酔いました。黒澤監督作品はこれまで『七人の侍』しか観たことがなかったのですが、映画作成のテーマ・ねらいをはっきりさせていること、映画の構成、流れがしっかり練られていて、俳優もベストの人を持ってくる。変に凝っていなくて、わかりやすく、心を打つ。議会の質問でもこうしたことをやれるようになりたいものです。そうそう、最近では、人間をモノのように使い捨てにする派遣労働の深刻な実態を告発した、2月の志位和夫共産党委員長の質問がそうでした。


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2008年07月05日 23:47に投稿されたページです。

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