久しぶりでした、電車に乗って新潟へ行くのは。朝から暑い日でしたが、柿崎駅のホームは海が近いこともあって、いい風が吹いていました。柿崎は明日まで浄福寺のお引き上げです。プラットホームには70代の女性と50代の女性がおしゃべりをしていて、話が聞こえてきました。「昭和20年から35年頃までに生まれた人たちは、お引き上げが楽しみだったわね。あの頃はお引き上げの時だけだったね、お小遣いがもらえたのは」「そうね、いまとは全然ちがったもんね」。こんな調子の懐かしい話は、きょうだからこそ聞けた話だったかも知れません。
行きの電車は快速くびき野号です。電車の中で、本を読もうとカバンには2冊の本を入れておいたのですが、開いたものの、すぐに寝てしまいました。朝早くからの新聞配達で疲れがたまっていたのでしょう。帰りは特急北越号です。新潟駅の地下で購入した椎名誠の『風まかせ写真館』(朝日文庫)をゆっくり味わいながら読みすすみました。作者の椎名さんは60代半ばの人、ほぼ同じ世代といってもよいかと思います。くせのない、まあるい文章で見聞きしたことをかいているので、とても気に入っています。写真はすべて白黒で、見ていてもホッとするところがあります。この本を読み始めたら、私も写真エッセーに挑戦してみたくなりました。
新潟は日本共産党後援会の世話人会でした。ここで上越市議選のことを話してほしいと頼まれたのです。会場へ着くと、会の次第に、私の話を「講演」としてあるのでびっくり。気楽に話すつもりでいたので、電車のなかではのんびりと寝てきたのです。しかし、もう間に合いません。日本共産党の会議などで話したことのないエピソードなどを自由に語らせてもらいました。「橋爪法一と語る会」で使っている黄色い幕はフォークシンガー・横井久美子さんのミニライブ「春秋楽座」で使う幕をヒントにしたこと、最近入党した人が熱心に読んでいたのはレーニンの『唯物論と経験批判論』だったことなどです。きょうの会議は衆院選を後援会としてどう闘うかを話し合う場でしたので、参考になったかどうかちょっと心配です。