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最後の卒業式

 98年の歴史を持つ県立吉川高校の卒業式(画像)が行われました。今春、柿崎高校との統合が決まっているので、吉川高校としての卒業式は最後です。卒業生、保護者などのほかに、学校に係わりのあるひとたちにも案内状が出されました。卒業生は44名、在校生はいうまでもなくいません。卒業式は大きな体育館で行われました。こじんまりした卒業式ではありましたが、閉校という締めくくりにふさわしく、心に残るものでした。ただ、式場は寒かったですね。式の後半には、両腕、肩などがザワザワしてくるほどでした。

 式辞で山田校長は、「最後の3年生の最後の1年間は実に見事でした。体育祭や文化祭など例年と違った盛り上がりをみせ、成功させてきました。でもその裏には、PTA役員、同窓会のみなさん、地域のみなさんなどからの力強いご支援があったことを忘れてはなりません。みなさんは、これから本格的な旅に出ます。嵐の日も晴れの日もある。明日という日を信じて、夢と希望を持って歩み続けてほしい。吉川高校の伝統の力は雑草のような底力です。自分を必要以上に追い込めないでください。自分自身は世界にひとつです。自分自身を大切にしてください。歴史のある吉川高校の最後の卒業生であることに誇りを持って大空を羽ばたいてください」と卒業生に語りかけました。そして最後、「98年間、ご支援くださったみなさんに敬意をもって感謝申し上げます」と結びました。胸にビンビンと響く素晴らしい最後の式辞でした。

 今回は最後ですので、在校生の送る言葉がありません。卒業生の言葉ということで挨拶したのは、上野英里佳(吉川区国田)さんです。上野さんは、「1年ごとに新入生の入ってこない学校生活をさびしく感じたこともありました。1年前、3年生を送り、私たちだけになりました。不安もありましたが、周りの方々が応援して下さいました。たとえば体育祭、職員の方がグランド整備をやり、保護者の皆さんがおにぎりとトン汁の差し入れをしてくださいました。保育園児の声援もうれしかったです。最後のロードレースでは、地域の人たちがたくさん応援に出てくださいました。地域に愛された吉川高校であることを肌で感じることができました。閉校になるのはさびしくてたまりません。少人数で受けた教育は98年の教育の集大成だったと思うと頭が下がります。この先、ここで学んだことを忘れず、くじけることなく一歩一歩あゆんでいきたいと思います」とのべました。涙が出そうになりました。

 吉川高校はわが家の子どもたちもお世話になりました。現職員の中には、わが家の次男の担任の先生もおられます。卒業式の後、教務室でストーブにあたりながら、思い出話をして楽しいひと時をすごさせてもらいました。


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コメント (2)

対馬在住者:

 私は、40年前に吉川高校を出発した者です。閉校と聞いて、さみしい気持ちでいっぱいになってしまいましたが、あなたが最期の卒業式を見届けて、このように知らせて下さったことに感謝します。40年もたつと、すべての思い出が、かすみがかったように薄れていますが、「春よ来い」の最期のロードレースに登場する井上先生のお顔はあざやかに残っています。先生は、大学卒業後すぐに吉川高校に赴任され、夏休みの間でも自宅に私たちをよんで、熱心に数学を教えてくださいました。熱意あふれるお姿に私たちは引っ張って貰ったと思っています。 旧校舎の体育館へ向かう廊下を歩いていると、プーンとお酒の香りがしてきて、みんなでニコニコしながら歩いたものでした。

ホーセ:

コメント、ありがとうございました。子どもがお世話になっただけでも特別の思いがありますから、吉川高校を卒業された方にとっては、閉校というのは受け入れがたい気持ちでしょうね。「最後のロードレース」も読んでくださったのですね。井上先生には週末にお会いしますので、あなたのコメントをお伝えします。

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概要

2008年03月03日 22:56に投稿されたページです。

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