朝、新聞を読んでびっくりしました。いつもお世話になっているKさんが出稼ぎ中に事故で亡くなったという記事が掲載されていたからです。私が20数年前に尾神岳のふもとから現在の代石にやってくることが決まったのは、福井県のある造り酒屋さんでした。そこに地権者の方が出稼ぎに行っておられ、話し合いの結果、現住所への移転が確定したのでした。そこの杜氏をしていたのがKさんでした。事故はその酒屋さんで起きたのです。Kさんはすでに80を超えておられますが、「吟醸酒を造るときには応援を頼まれるんだわ」と、先日会った時、笑顔で話してくださったのが最後となりました。夏場、Kさんは、軽トラに乗って毎日のようにわが家の牛舎脇の畑にやってきました。私の姿が見えると必ず声をかけてくださり、よく政治談議をしたものです。今朝、訪ねると、Kさんは夜中の1時頃に自宅に到着したということでした。永遠の眠りについたKさんの顔はおだやかでした。全国鑑評会で金賞を受賞した夢を見ておられるのかもしれません。惜しい人を亡くしました。