米どころ上越市の頸城区で「農業と食の今と未来」と題する講演会が開催されました。主催は日本共産党上越地区委員会です。市内各地から稲作農家、農業生産法人の役員、農業高校の職員、農業普及センター職員などが集まりました。最近の稲作をめぐる厳しい状況もあって、講演の後の質疑応答は1時間近くにも及びました。
講師は党中央委員会の農漁民局長・有坂哲夫氏(画像)。同氏はまず、自公政治にたいする厳しい審判が下された参院選挙結果の背景にふれ、「働いても働いても食べていけないワーキングプアは農家、農村でも起きている。構造改革と新自由主義の下で、自公政治は農業・農村を切捨てきたが、その具体的な表れのひとつがコメ価格の暴落だ」とのべました。また同氏は、国民の運動、要求、世論が政治を動かす情勢になってきていると指摘し、日本共産党綱領を紹介しながら、当面する農業危機打開の方向として、①適切な国境措置と価格政策を基本に農政の転換を図ること、②アメリカいいなり、財界本位から脱却する一環として食料主権を確保すること、③家族経営を基本にして、全国民的な結集、統一戦線の立場での政策推進の3つをあげました。
参加者からは、「農業生産法人の会計をしているが、今の米価では農協から借金でもしないとやっていけない」「中山間地の棚田を守ると言っても、そこで働く農民を国家公務員にでもしないかぎり、担い手は確保できないのではないか」「農家の人たちは怒りを忘れている。もっと怒らなければマスコミや行政を動かせない」などという声が出ました。また、日本共産党にたいしては、「もう一歩踏み込んだ現実的な提案をしてほしい」「政策をもっとわかりやすく説明することが必要ではないか」「来年の市議選でぜひ勝利してもらいたい」などといった注文や激励が相次ぎました。