吉川区内の住宅被害は家具類が倒れる、散らばる、屋根瓦が落下するといった類のレベルだけではなく、家屋が傾いて危険になっているものなどがあることがわかりました。これは給水車がいるところに水をもらいに来た住民からの情報で初めて知りました。情報に基づいて朝の内に2軒の家を訪ねてきましたが、柱がいくつも傾いている、戸がねじれているなど極めて深刻な状態にあります。ただちに市防災局に問い合わせたところ、上越市内では昨日からこうした深刻な家屋被害の危険度判定の作業に入っていることを知りました。正式には建築物応急危険度判定といいます。被災した建築物の応急的な安全性の判定を迅速に行い、余震などによる人的被害を防ぐことが目的です。
上越市内全体では40数件の判定が行われていました。吉川区内では、きょうの3件を含めて10件にものぼっています。集落別では泉谷3件、土尻1件、川崎1件、小苗代2件、片田1件、原之町2件となっています。判定結果は、「危険」という赤紙が張られた家が4件、「要注意」という黄色の紙が張られた家は6件でした。
本日、午前8時半現在の吉川区の被害状況は以下のとおりです。全体として、昨日よりも広がっています。上越市内全体の被害状況は市役所のHPに掲載されていますので、ご覧ください。
●避難所開設 1ヶ所 12人自主避難
●けが人 8人
●住宅の損壊 10件
●住宅の屋根瓦落下、壁落下、ひびわれ等 138件
●非住宅の屋根瓦落下、壁落下、ひびわれ等 170件
●灯油流失 21件
●道路陥没、段差、クラックなど 65ヶ所
●断水 区内全域
●停電 10町内会(16日17時復旧)
●交通止め 市道長沢西線
林道大下名木山線
日本共産党上越市議団は市内の吉川区、柿崎区、大潟区、頸城区、三和区を回り、被害状況を視察してきました。浦川原区は明日、視察する予定です。なお、きょうの視察を踏まえ、日本共産党上越地区委員会の対策本部(本部長は阿部正義委員長、副委員長は杉本、樋口両議員、事務局長は私)は、夕方、上越市役所を訪れ、以下の申入れを市長に対して行いました。村山秀幸副市長および土橋均防災局長が応対してくれました。
7月16日に発生した新潟県中越沖地震は、震源地にもっとも近い柏崎市を中心に、上越市においても深刻な被害を引き起こしています。貴職におかれては、ただちに対策をとられたことに心より敬意を表します。
日本共産党対策本部は、16日~17日の両日、被災地にはいり被災状況を調査した結果をふまえ、下記事項について至急、対策をとられるよう申し入れるものです。
1. 応急危険度判定において「危険」「要注意」と判定された家屋とその居住者に対して
① 判定の結果、何ができて何をしてならないかなど具体的な説明を、該当者に対しただちに、かつ丁寧に行うこと。
② 希望者には、必要な住居を確保すること。
③ 判定をためらっている市民に対し、適切な対応をすること。
④ 家屋の撤去費用・再建費用等に対する市の補助制度などを確立し周知すること。
2. 要介護者に対する対応について
① 散乱した家財等の後かたづけの支援をもとめている人を把握し、行政として必要な支援を行うこと。
② 危険家屋居住者のみならず、家財の散乱などにより居住に困難をかかえている人たちへの対策を講じること。
3. 道路等の被害に対して
① 幹線道路の修復はすすんでいるようだが、枝線等には危険箇所が残されている。安全対策を講じるとともに、至急、修復作業にとりかかること。
② ライフラインの確保に全力をあげること。
以上