政治というのはよその真似事ではできない。自分の住んでいるところにふさわしいやり方を努力して見つけ出していくしかない。きょうの午後、京都府綾部市議会のみなさんと交流しながら、そう思いました。
高齢化比率が50%を超える限界集落対策を進めるためにどうしたらいいかを考えるうえで、綾部市の「水源の里条例」は全国でも先進的な取り組みとしてとても参考になります。集落の危機的な状況から抜け出すために、定住対策、都市との交流、地域産業の開発、地域の暮らしを守るなど4部門での取り組みを集落、行政が協働して短期間に集中して進めていく。その姿勢、意気込みはすごい。それぞれの部門の対策を集落での取り組み、市の取り組み、府・国の取り組みと分けて具体化している点など、なるほどと思うことがいくつもありました。
ただ、この条例の制定過程をお聞きした時に、上越市との違いを感じました。同条例は市長の強力なリーダーシップのもとで「水源の里を考える会」が設立され、そこでの調査や検討をもとに策定されていました。この条例を初めて読んだ時に、行政が支援する対象となる集落の条件として、高齢化率が60%を超えていることや市役所から25キロメートル以上離れていることなどが入っているのはどういうことかと疑問を持ったのですが、その疑問も解けました。綾部市の東部にある、水源となっているいくつかの集落を対象にするための規定だったのです。そして、ここでモデル的な取り組みをして市内の他の限界集落にも波及させていく方針だとも伺いました。上越市の場合、こういうやり方ができるかというと、率直に言ってむずかしい。当市では、50数集落というすべての限界集落を対象にしないと問題が出るでしょう。やはり、上越市での対策は上越市で考え出していかないといけないなと感じました。
きょう、上越市を視察にこられた常任委員会のメンバーの中には日本共産党の堀口達也、搗頭久美子議員の姿もありました。「あなたのHPを見てきました」「資料をおあげしますよ」などとちょっぴりしか話ができませんでしたが、これを機会にぜひ綾部市の議員団とも交流したいものです。「水源の里条例」が全国的に注目される中で、同市は今秋、全国シンポを開催する予定だということです。時間がつくれれば、ぜひ参加したいと思います。