Oさんの葬儀は時折小雨が降る天気の中で行われました。55歳の働き盛り、その若さとこれまで彼が果たしてきた役割の大きさ故に大勢の人が集まりました。参列者は200人を軽く超えたのではないでしょうか。葬儀開始時間になっても受付には長い列ができ、庭は家の中に入りきれない人たちでいっぱいでした。喪主としての挨拶をしたのはOさんのご長男です。「父はがんばって、がんばって、がんばりぬいた人でした。残された家族は、父に心配かけないように生きていきたいと思います」との挨拶を聞いて、そのしっかりした態度にホッとすると同時に涙が流れました。
葬儀が終わってから、「しんぶん赤旗」日曜版の配達に出かけました。配達はなかなか進まず、終わらないうちに家に戻りました。午後から予定されていた高遠菜穂子さんの講演『命に国境はない』を聴くためです。イラクからの報告は最初、たんたんと話され、静かに聴くことができました。が、途中のビデオ上映によって、一変します。アメリカを先頭にした戦争勢力が宗教間対立をあおりたて、断ち切ることのできない憎悪の連鎖によって、繰り返される戦い、そして殺された人たちの無残な遺体……。これまで視たことのない映像にショックを受けました。同時に、日本のマスコミはほとんど事実を知らせていないと思いました。
高遠さんというと、イラクで拘束され、解放された後の憔悴した姿を思い浮かべます。しかし、きょう見た彼女は、すっかり元気を取り戻していました。キング牧師やマザーテレサなどの運動に学び、非暴力による運動、イラク支援の活動をすすめる高遠さん。拘束前よりも成長し、たくましくなったと感じました。彼女に負けないよう、憲法改悪反対のために頑張らなくては。