尾神岳のふもとで昨日、思い出に残る出版記念会を開催していただきました。出版にかかわった人たち、親戚の人たち、本に登場した人、議会の同僚、党や後援会の仲間、友人など60人を超えるみなさんから祝っていただき、元気エネルギーをたくさんもらいました。「おかあさん、がんばって」に登場した奈緒美さんは、3人の子どもに読んで聞かせたところ、子どもたちが目を輝かせて聞いてくれたことを語ってくれました。出版元の川上さんは、「橋爪さんのお父さんについての文章には抑制が効いている。それがかえって読者をひきつけている」とスピーチしてくださいました。どの人のスピーチにも心に残る言葉があって、とても感動しました。この日記を読んで駆けつけてくださった方も5人ほどありました。記念会をやってもらい、『春よ来い』を出版してよかったと改めて思いました。お忙しい中、参加してくださったみなさん、心配してくださったみなさんに心から感謝します。
「会場に入った途端、ここには橋爪さんがたくさんいる」そう感じましたと切り出して熱弁を振るってくださったのは近藤典彦さんです。近藤さんの講演では、石川啄木のふるさとへのやさしさ、家族へのやさしさ、自然へのやさしさ、そして正義感あふれる人間像を教えてもらいました。近藤さんの話を聴いたおかげで、これまで何度かお目にかかったことのある啄木の短歌がとても身近に感じられるようになりました。結婚式をめぐるエピソードや短歌に秘められた新たな事実の発見、人間臭い恋愛観などの説明は、啄木研究の第一人者ならではのもので、興味深く聴くことができました。会が終わってから、近藤さんのところへ行き、近藤さんの著書『国家を撃つ者』(同時代社)を求める人もいました。
うれしかったのは、『春よ来い』で私が読者の皆さんに伝えたかった、ふるさとや家族への思いなどは、天才歌人・石川啄木の思いと通じるものがあることが明らかにされたことです。私の文が啄木短歌の訴える力に遠く及ばないレベルにあるにせよ、これは、私への大きな励ましです。こうした励ましは、カバー写真を提供してくださった平田一幸さんをはじめ、スピーチに立たれた方々の中にも、また、マイクを持たないものの、会場で私に声をかけてくださった人たちの言葉の中にも、さらに、この日、参加できなくて葉書にメッセージを寄せてくださった人たちの言葉の中にもありました。改めて感謝申し上げます。記念会でのこうした励ましをしっかり胸に刻んで、これからも書き続けたいと思います。