おそらく初めてでしょう、委員会室に音楽が流れたのは。きょうの総務常任委員会の午後の審議でのことでした。田村恒夫委員が「新しい上越市民の歌」について、「非常にいい歌です。ただ、私はまだ歌は聴いていないのですが、歌詞を見るかぎり、上越市という言葉が一つも入っていないのはいかがなものか」と質問しました。「それならば聴いてもらいましょう」そういって、CDプレイヤーが委員会室の中央部の窓際におかれ、流れたのです、新しい市民の歌が。♪山のめぐみ豊に 水は流れる 海のめぐみ豊に 風は光る……
委員会室は静かになりました。男性(テノール)の歌声が委員会室に響き渡りました。私は昨晩、自分のパソコンで試聴したのですが、CDプレイヤーで聴いたのは初めてです。上越の大地をイメージできて、何か、このまちをよくしたい、という市民の気持ちが見事に表現されている。素晴らしい歌でした。聴き終わるか終わらないかというタイミングで杉本委員が小さな声で「はい、拍手」と呼びかけ、みんなが拍手をしました。そして再び田村委員が笑顔でさっと手をあげました。「それでは、私の感想をのべます。とてもいい歌ではありますが、私にはちょっと……」。それに対して野澤企画・地域振興部長が、「歌はなじみながら進むものです」と応じました。担当部課では、最初からこの歌を聴いてもらう計画だったようです。仕掛け人は部長かな。
上越市の市民の歌は合併協議で見直すことが決まっていました。歌詞には直江津、高田が出てきても13区がぜんぜん出てこない歌だったからです。新しい市民の歌は検討委員会で何回も検討したうえで、歌詞が公募され、板倉区の上原みゆきさんの「このまち」が最優秀賞となりました。この歌詞を児童文学者の杉みき子さんが補作、「このふるさとを」という新しい市民の歌が出来上がったのです。作曲は後藤丹さん。今週末から市内の合唱団が練習を始め、12月上旬には市民に正式に披露するということでした。合唱という形で聴くと、どんな感じになるのか。なぜか、感動の予感がします。
さて、きょうの総務常任委員会は最終日でした。いい質問がいくつもありましたね。バス運行対策費として昨年度、3億5600万円ほど支出(1世帯あたり5000円負担している勘定になる)されていますが、市川委員は「バスに乗らない人たちが議論しているのではダメだ。体で知って議論しないといけない。自分たちの路線は守る人たちの工夫が必要ではないか」と発言しました。また、笹川委員は金谷山にある「日本スキー発祥記念館」に2回、足を運び、その運営のついて発言しました。「合併前上越市の施設についても知らなくてはと思い見てきたが、案内のビデオは古く、前市長の映像と声が出てくる。映像もハッキリしないし、スクリーンも変えた方がいい」。いずれの質問も現場に足を踏み入れ、調査した上での発言、とても説得力がありました。