北海道栗山町議会が議会基本条例を制定したというニュースが流れたのは2ヶ月ほど前のことです。兵庫県生野町や新潟県旧吉川町などのまちづくり基本条例が広がる中で、これからのまちづくりにおいては、議会も住民、行政とともにまちづくりの担い手であるという流れはできていた。では、議会はどうあるべきなのか。これを具体的に示している条例をもっているところは、これまで皆無でした。そういうなかで栗山町議会がトップを切って条例を制定したのです。どんな経過で、どんな内容で制定されたのか知りたいと思ったのは当然です。きょうの「市民と議員の条例づくり交流会議2006」で栗山町議会の橋場議長が話をされるということを知り、東京は江東区のタイム24まで出かけてきました。
議会主催で住民が参加する一般会議を行う、議会主催で議会報告会もやる、議会は自由な討議の場であるから首長などにも反問権を与えるなど、ごく当たり前のことでありながら、なかなか実現できなかったことが盛り込まれている。それだけでもビックリしたものですが、きょうの橋場議長の話を聴いて、すごいと思いました。分権時代にふさわしい行動する議会、住民に開かれた議会づくりが必要だ。議員は住民の皆さんの目線にふれなきゃダメです。住民にとって一番見えていないのは行政の中身ではなく、議会の姿なんです。議長の自信に満ちた発言に会場を埋めた参加者は圧倒されました。今後、全国の議会は議会基本条例を次々と制定していくでしょう。すでに三重県議会などで動きが始まっています。
橋場議長の話を聴きながら思い出したのは、吉川町まちづくり基本条例づくりでした。町議会のメンバー全員で何回もワークショップをやり、意見を出し合う。議会として初めて、住民の声を聴きに懇談会を開いた。自分の町だけでなく、よその自治体の法務職員の知恵も借りたなど……。いずれもきょうの話に通じるものがありました。議員提案の条例制定の動きは、吉川町から飯田市など全国に広がっていることも確認できました。きょうの会議後の懇親会では、法政大学の廣瀬克哉教授やガバナンスの千葉茂明さんなどなつかしい人と再会しました。また、きょう、辛口の議員論、議会論を展開された大森彌東大名誉教授などともゆっくり話をすることができました。よかったです。