こういう式典の開始時間を直前に変更するのは通常やってはいけないことです。しかし、きょうの開局式では、吉川区総合事務所がこの「やってはいけないこと」をやって開局の喜びを参加者全員で確認しあう演出を見事に成功させました。司会者が午前10時ちょっと前に参加者の同意をもらい、会場でテレビを観ることになりました。番組は吉川区自主放送番組、「おらったりの出来事」です。
「おらったりの出来事」は毎週水曜日が新たな内容に切り替る日になっています。きょうの午前10時からは、ちょうど、新しい内容の放送が流される時間帯の1つでした。吉川区地域協議会の様子、吉川中学校PTAが取り組む音楽会の案内、上川谷集落での保健集会の模様が報道されました。見たことのある身近な人たちの動きや発言に参加者の関心が集まります。PTA会長の金子敏美さんが、「私も参加します。カラオケとはちがった雰囲気に悪戦苦闘しています」とのべたところで、会場では笑いが起こりました。さらに積雪3メートルを超えた上川谷の住民の皆さんの元気な様子が映し出され、田辺ミヨさんが「雪に比べればベト(土の方言)が恋しい」と言うと、会場は笑いでいっぱいになりました。
開局式は予定より15分遅れでスタート。40人ほどの参加者を前にして、主催者の木浦市長は言いました。「町内会長さんから集落向けの放送ができる、地域内電話は無料であることを知ってビックリしました。こんなすばらしい施設ができたわけですから、大勢の皆さんから利用していただきたい」。来賓の山岸副議長もいい挨拶でした。「難視聴地域が50%ほどあったということですが、オリンピックもすっきりした画面で、しかも多くのチャンネルでご覧になったことと思います。メダルには届いていないが、日本の若者も捨てたもんじゃない。いい根性持っていますね。開局によって、地域の情報をいち早くキャッチできるようになりました。有効に活用してください」と祝いの言葉をのべました。
開局式終了後はケーブルテレビ施設などの見学が行われました。ここでは、農協職員時代から面白くて分かりやすい説明で鳴らしていた永井有線放送事務局長が説明役。「皆さんがいま目の前でごらんになっているものは、すでに利用していないものです」とやって笑いを誘い、「ハイ、質問のある方!」と進めました。加入者が一斉に電話を使った時にどうなるかという問いには、一般道路と高速道路の違いを例にあげ、説明していました。永井節は健在でした。