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吉川町酪農組合解散式

 いつかこの日が来るにちがいない、そう思ってはいたものの、さみしかったですね。吉川町酪農組合がきょう、解散式を行なったのです。戦後まもなく旭地区の農家が乳牛を導入し、手搾りをしたのが始まりでした。それが徐々に増え、農業の最先端を行く取り組みとして注目された時代もありました。わが家の出荷番号は58でしたから、吉川区内で酪農をやったことのある農家は50戸を超えているはずです。わが家も1961年(昭和38年)から組合の仲間にしてもらいました。以来、昨年まで43年間組合員でした。お互いに助け合い、励ましあって酪農を続ける。この組合があったからこそできたことです。その組合も、経営の厳しさ、後継者難などで組合員数が減り続け、いまや2人だけとなってしまいました。解散式を迎えたことは残念ですが、やむをえないことだと思います。
 わが家の場合、父が出稼ぎをやめて酪農をはじめました。私が中学2年生の時でした。冬でも父と一緒に暮らすことができるようになった。あの感激はいまでも忘れることができません。総会後、参加者はしばらく思い出話に花を咲かせました。組合結成20周年の年に茨城県協和町から鈴木茂さんを呼んで酪農技術講演会をやり、それ以後、大きな飛躍につながったこと、パクラマアストロセレクト、紋次郎などといった種牛をめぐるドラマなど忘れられないことが次々と出てきました。おもしろいもので、苦労したことほど懐かしい。ワラ集めのために長時間トラクターに乗り、胃が痛くなったとか、ご飯が食べられなくなったことなど、「そう、そう」とうなづくことばかりでした。
 きょうの解散式、じつは総会でもありました。第50回の総会でした。この総会の中身が昨年度の決算承認と組合の解散だったのです。会場はいつものように、農協旭野支店の2階です。いつもなら総会後に懇親会をやり、ワイワイとやるのですが、組合員のYんが昨年体調を崩して酒を飲めなくなりました。また食事制限もしているということで懇親会はナシということになりました。久しぶりに会ったYさん、顔色も笑顔もすっかり元通りになりました。もう大丈夫です。これからは息子さんとともに吉川の酪農の伝統をしっかりと守ってくれることでしょう。懇親会がない代わりということなのでしょうか、今回は「お土産」ということで牛肉をもらって帰りました。まだ食べていませんが、いままで見たこともないような上等な霜降り肉です。ゆっくりと味わいたいと思います。


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概要

2005年08月26日 00:00に投稿されたページです。

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