とうとう、遺伝子組み換えイネの屋外実験が実施されました。上越市稲田にある中央農業総合研究センター・北陸研究センターが屋外で遺伝子組み換えイネの実験をするのはこれで、2度目といいます。同センターには午前8時頃から、農家や農業団体、消費者団体のメンバーなどが次々と集まり、15分頃には100人以上になりました。そして、「遺伝子組み換えイネの栽培中止」を求める連絡会の構成団体の代表が次々と「屋外実験やめよ」の訴えをしました。日農、農民連、新潟県総合生協、市民生協にいがたなどが団結して行動したのは画期的です。
センターは説明責任を果たしていない、もっと分かりやすく説明を、と要請していたのは新潟県、上越市、JAなどでした。先日のJAえちご上越農協の総代会で組合幹部が反対の立場を表明したということも耳にしています。泉田知事は記者会見で、「良く住民の皆さんとコンセンサス(合意)をつくって頂く必要がある。それが出来ない中で強行するということはいかがなものか」という発言もした。ひょっとしたら、行政や農協も顔を出してくれるのでは、と期待したのですが、姿は見えませんでした。
センターの説明では、きょうの田植えは、午前9時45分開始でした。ところが9時頃から、実験に抗議をする農民らがどんどん増え、200人近くになったように思います。センター側は何か不安に思ったことでもあったのでしょうか、時間前に田植えを始めました。これで参加者の怒りが一気に高まりました。金網で隔離された田んぼの周りの道から、「やめてください」「上越のコメをどうしてくれるんだ」などといった声が飛びました。また、道路で田植えの説明をするセンター職員に、農民らが「あなたたちはウソの説明をしている。(導入)遺伝子は玄米では発現しないと言ったじゃないか」など厳しく迫る一幕もありました。
遺伝子組み換えイネの屋外実験については、反対の声は一段と高まってきました。27日の要請行動をした際、「私たちは科学者なんです。(交雑防止などの措置はとってあるので)私たちは粛々と(実験を)やります」とのべたセンター側に、この実験をやめさせるには、6月下旬の本年2回目の田植えまでに運動をさらに盛り上げることが必要です。6月議会の一般質問も、こうした運動の発展に役立つものにしなければなりません。しっかり準備して臨みたいものです。
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