「大金先生の話は良いよ」と聞いてはいましたが、こんなに分かりやすくて、ためになるとは思いませんでした。「憲法を守る上越地域の会」主催の憲法学習会、講師は元中学校教員・大金辰三さんでした。改憲のねらいは何か、大金さんは、戦後の歩みを丁寧に振り返りながら明らかにしてくださいました。アメリカの戦略の変化に合わせて自衛隊の任務が変わっていく様子は、年表に基づいて追っていくと、ぐんと分かりやすくなるものですね。「自衛の軍隊」が「世界の軍隊」に変わっていく上で障害となっているのが憲法前文と第9条だということを歴史的に理解でき、とてもいい勉強になりました。
大金さんが歴史講座を開設し、頑張っておられることは、上越タイムスなどで紹介されていましたので、知っていました。最前列で講義を聞きましたので、講義のテクニックも垣間見ることができました。黒板と配布した資料を駆使し、テンポよく話を進める。この講義のために、かなりの時間を割いて準備してくださったことと思います。講師用の机の上には、講義の流れをまとめた自分用のレジュメと蛍光ペンで大事な点をハッキリさせた配布資料がありました。なるほど、こんなふうにすればいいのか、と感心しながら話を聞きました。
それにしても大金さんはお若い。すでの70歳を超えておいでのはずですが、声に張りがあり通る。世界地図をチョークでサッと描く姿には、「記憶疲労」はまったく見られません。背筋をスッと伸ばし、動きもまた早いときている。「はい、次の資料を見てください。NO9の右の真ん中です」こういった調子で展開される「授業」にすっかり魅せられてしまいました。大金さんの憲法学習会は連続3回シリーズ、次回は5月25日、午後6時半から。上越市の市民プラザ第4会議室です。あなたも参加してみませんか。