市政レポート通常号を印刷し終わってからのことです。もう一度、目を通してみて、こんな文言を使ってもいいのかという箇所が3箇所ほど見つかりました。結局、全部ボツ、印刷しなおしをしました。原稿ができたら少し寝かせておいてもう一度チェックする。この当たり前のことを怠ると今回のようになります。しばらくこういうことから遠ざかっていたのですが、やはり疲れでしょうか。
「しんぶん赤旗」日刊紙を読んでいてある短歌が目にとまりました。作家の松田解子さん追悼の歌です。先月下旬に99歳で亡くなっていたことをまったく知りませんでした。松田さんとは大学4年生の時に、一度だけ会ったことがあります。ちょうど佐渡鉱山労働者のことをテーマにした卒論の準備をしていて、彼女の『おりん口伝』に出てくるある鉱山労働者について知りたかったからです。
東京の自宅でいろいろお聞きし、頭の中を整理できました。忘れられないのは、帰り際の出来事でした。お茶菓子を広告の紙かなんかで包んでひねると、「食べなさい」と言って、渡してくださったのです。『おりん口伝』も良かったですが、都会でこういうやり方で物をもらうとは思いませんでした。感激でした。こんなこともあって、わが家の娘の名前は「りん」。松田さんのやさしさと芯の強さを少しでも分けてもらいたい、そんな思いで命名したのです。