朝、杉田さん宅に向かって歩きはじめた時のこと。青い空に白い雲が浮かんでいて、ミンミンゼミが盛んに鳴いています。夏なのに、ちょっぴり秋の涼しい風も吹きはじめた。そして、杉田さんの葬儀の看板がすくっと立っている。あれっ、この感じ、どこかで一度味わったことがあるな、と思いました。高畑勲監督のアニメ映画・「おもひでぽろぽろ」だったかな。これまで大勢の人を送ってきましたが、こんな景色のなかで送るのは初めてでした。
初七日が終わって家に帰ったら、もう夕方でした。7時近くになって、「買い物に付き合わないか」と妻に誘われ、町に出かけてきました。お酒を飲んでいましたから運転は妻、助手席に私が座っていたのですが、窓から稲の匂いが流れ込んできました。これは実が熟しはじめて出る匂いです。一年ぶりに味わう懐かしい匂い、いよいよ収穫の秋がやってきます。このぶんだと、例年より数日早い稲刈り開始となるでしょう。