妻の実家への新年の挨拶は小正月に、と決めていたものですが、近年は祝祭日の変更ですっかり調子がくるってしまいました。小正月行事と同じく、その年によって日がずれるようになってしまったのです。11日の日曜日には私の集落で「サイの神」をやるというので、きょうは、柏崎市にある妻の実家へ行ってきました。こちらからは、私と妻、それと、都合がつかなかった長女をのぞく子どもたち二人も一緒です。
義父は80歳を超え、義母も80歳一歩手前です。二人とも元気ではありますが、足が悪くなってきていて、昔のようには体が動きません。こちらからも寿司を買って持ち込み、おせち料理や寿司を食べ、ビールを飲みながら楽しいひと時をすごしてきました。きょうは、「食べたネギの中にナメクジが入っていた」話や「年をとったら、大きい家で住むよりマイクロバスくらいの大きさの車であちこち旅をする暮らしがいい」などといった話が次から次へと出て、びっくりしたり、大笑いしたり……。あっという間に帰りの時間となってしまいました。
帰りしなに、義父が、「ああ、いい正月だった。おもしろかった」と言いました。わずか4時間でしかなかったのに、これほど喜んでくれたのは、子どもや孫を囲んでのおしゃべりがとても気に入ったこともあったでしょう。しかし、それだけではない気がしました。ふだん、大勢のなかで世間話をすることがなくなっているのではないか、という感じがしました。親孝行というのは、あまり面倒なことを考えずに、「また、顔見せに来いや」という老父母の言葉にさっと応えることかもしれません。