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昔は行火の入ったコタツで

 きょうから新潟日報紙に時代小説『天地人』の連載がはじまりました。新潟県出身の作家、火坂雅志さんが上杉謙信、直江兼続、真田幸村をどう描いてくれるのか、上越を舞台にどんなドラマを展開してくださるのか楽しみです。連載スタートを記念して火坂さんの講演があるというので聞きに行ってきました。着物姿で登場した火坂さんは、まじめな方で、どちらかと言えば史実に基づいた話を中心にされました。物語に登場する人物像やエピソードをたっぷり聞けるものと思っていたのですが、それらは小説の展開を待つしかなさそうです。
 講演が終わってから、上越市立博物館へ行き、「昔のくらし展」を見てきました。民俗資料で私がひかれるのは、雪の中でのくらしで使った数々の用具などです。へこんだコタツの網、六角提灯、コタツの行火(あんか)など懐かしいものがいくつも展示されていました。一緒に行った友人は、「六角提灯を持って寒い冬に風呂もらいに行ったことがある」「寝小便で濡らした布団をこの行火の入ったコタツで乾かそうとするもんだから、小便臭かったこて」などと思い出を語ってくれました。
 上越市高田の商店街が雪で埋まった写真をこれまで何回も見てきましたが、撮った人が著名なカメラマン、濱谷浩であることを「昔のくらし展」で初めて知りました。雪との闘い、雪の中のくらしを撮った作品はいずれも貴重な記録写真です。彼と上越との係わりをネットで調べたら、桑取などで取材を続けて『雪国』『裏日本』などの写真集を出しているも知りました。東京生まれとは思えないほど、雪国の人々のくらしにとけ込み、いい写真を撮れた。そこにどんな物語があったのか、もっと知りたくなりました。


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2004年01月10日 00:00に投稿されたページです。

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