2日間とても気持ちのいい研修をしてきました。初日は長野市松代町、きょうは木曽町合併協議会、どちらにも共通するのは、いま住んでいる町や村をいいところにしたいという熱い思いでした。歴史を大切にする。木材を生かす。地域の人たちが見つけた宝を守る。こういった思いが集まり、まとまった時に生まれるエネルギーのすごさを感じてきました。
松代町ではNPO法人「夢空間・松代のまちと心を育てる会」の事務局長、香山篤美さんから松代城址や松代藩の文武学校などを案内していただいた後、長野市などとの合併で失われた地域の活力をいかに取り戻し、どんな夢をいま抱いてがんばっているのかを語っていただきました。「地域の魅力は地域外の人と歩いていると分かりやすい」「住民自身がまちのことをよく知って好きになる。そこから始まる」。香山さんの言葉、一つひとつに光るものがありました。ドキッとしたのは、合併した後の松代支所の実態。「役場の職員が5分の1になり、2、3年で変わる。これが一番恐い」。この指摘は忘れてはならないと思いました。
合併しても地獄、しなくても地獄です…こう言って苦悩を率直に語ってくれたのは木曽町合併協議会の事務局のみなさんでした。ここの最大の注目点は全国に先駆けて取り組んでいる「総合支所方式」です。合併して面積が広大となりすぎ、コミュニティが薄れてしまうという危機感から出発したそうですが、「合併に伴い行政区域が拡大しても、住民の意見が反映される仕組み」「これまでの地域社会の特色・個性やまとまりをこれからも維持できる仕組み」として検討に値するものでした。本庁と総合支所の業務分担、支所長の選任方法など検討中でしたが、上越地域合併協議会でこれから都市内分権について具体的に議論を進めることになっているのでとても参考になりました。
木曽路といえば、中仙道の宿場がいくつも残っていることで有名です。帰りにその1つ、奈良井宿を歩いてきました。宿場として栄えた当時の面影がそのまま残っていて、木造の建物、すっきりした街並みが気に入りました。松代でもそうでしたが、歴史を大切にすることが木材を生かすことと結びついている、いいものですね。