総選挙結果についてどうみるか。きょうは新潟市で、日本共産党の常任委員、議員などが集まって話し合いました。県委員長が中央委員会幹部会声明に沿った報告をした後、参加者が自由に発言できるので、自治体議員や小選挙区候補だった人たち、地区委員会の役員などが次々と自分の考えていること、経験したことなどを述べました。
これはと思う発言がたくさんありましたが、特に強く印象に残ったのは、これまで衆議院議員で、比例代表区の候補だった木島日出夫さんの発言です。落選した木島さんは、議席を失ったことがどういうことなのか、その重さについて語りました。日本共産党の衆議院議員が1桁になったのは30数年ぶり。17の常任委員会のうち、5つの委員会に入れず、党の国対委員会がどの委員会を選ぶか頭を痛めているといいます。発言時間も少なくなることは必至、党首討論など何分になることか。イラク派兵問題や年金など国民生活が重大な時に日本共産党の国会での発言力が弱まることを具体的に聞いて、改めてたいへんなことになったと思いました。
木島さんは北陸信越地域の住民の要求を国政につなぐパイプ役でもありました。これまでにとりあげた要求は1400項目を超えます。要求は、一つひとつファイルに入れて大切に扱いました。先日、国会の議員会館の自分の部屋を明け払う時に、膨大な資料を整理したとのこと。しかし、地域要求の入ったファイルだけは全部ダンボール箱に入れて自宅に持ち帰ったといいます。ダンボール箱もかなりの数になったはずです。身近な要求を大切にしてくれる国会議員を失った重さを感じました。
最後に木島さんは言いました。「国民に訴える日本共産党の力が足りない。演説を聴いてくれた人たちは、財界やアメリカの意図も見抜いて、日本共産党の役割も分かってくれた。しかし、聴いてくれたのは全有権者のほんのひとしずくだったのではないか。もっと外に向って訴えていく力が必要だ。国会もマスコミもますます二大政党制に向って進んでいく。いまが日本共産党のふんばり時だ」。力強く、説得力のある話に引き込まれてしまいました。
きょうは新潟への交通手段として鉄道を使いました。行き帰りの列車の中で、読みかけていた大江健三郎の『「新しい人」の方へ』を読むことができました。選挙が終わったらじっくり読んでみたいと思っていた本です。昔は大江さんの本というと、難しすぎて読む気はしなかったのですが、最近の本はわかりやすいだけでなく、大江さんのやさしさと真面目さが出ていて、人間というのはこうでなければと感ずることがたくさんあります。私自身の欠点も見えてきて、とても勉強になります。