昨日、遅くなってから、とんでもないことが起きていることが判明しました。今回の編入合併で編入する側の木浦正幸上越市長が大潟町長に、議会での(法定)合併協議会の設置議案の可決を急ぐよう電話したというのです。日頃から、「今回の合併は編入合併ですが、新設合併の精神で、対等・平等に協議をしていきます」と言ってきた人がこういうことをやるのですから、あきれてしまいます。
大潟町議会は、当初、昨日の午前だけで審議を終了し、採決する予定でした。それが14日まで延び、12日に採決予定の上越市議会より遅くなる。そのことに苛(いら)立ったのでしょうかね。どうあれ、こういう時に、よその議会の審議促進に言及するのは、明らかに自治権の侵害です。
大潟町の情報を耳にした時、私の頭の中でポッと浮かんだことがあります。それは、昨日、上越市議会の審議を傍聴後、エレベーターで下りようとした時のことでした。近くにいた上越市の幹部の一人が声をかけてきました。
「橋爪さん、もう(臨時会が)終わったの?」
「まだですよ。うちは15日までです」
「本当に15日になるの?」
「なりますよ」
「ええっ!」
このやりとりが終わるか終わらないうちに、その幹部が階段をかけあがっていったのです。それが思い出されたのです。
ひょっとしたら、うちの町にも電話がきているのではないか、そう思った私は、朝のうちに町の幹部に確認しました。いやはや、驚きましたね、吉川町にも上越市から働きかけがあったのです。それだけではありません、頸城村にも、柿崎町にも電話がいっていたことが、上越市議会の審議で明らかになりました。
きょうの議会は市町村合併に関する調査特別委員会、午後2時からでした。審議に入ってすぐ手をあげました。
「昨日、たいへん残念な事態がおきました。上越市役所側が、当町にたいして(法定)合併協議会の設置議案の審議を急ぐようにとも受け止められる電話をかけてきましたね。いつ、だれが、どんな内容の電話をしてきたのか。また、それをどう受け止め、どう対応したのか、お答えいただきたい」
これにたいして町長が答弁に立ちました。
「昨日、上越市の合併推進課から企画課長に電話がありました。できるだけ早めにというお願いがあったそうです。他町村のことなのに…、と憤慨しました」
事実は委員会本会議の場で確認されました。それで、議長に私の方から提案しました。「こうなったら、上越市に抗議すべきだと考えますが、いかがですか」。これにたいして「代表者会議で検討します」と議長が答え、委員会審議を中断することになりました。
代表者会議では、「文書で抗議をすべきだ」「向こうがどう言ったのかも確認する必要がある」などいろんな声がでました。また、断続的に各派の会議も開かれ、議会としての対応が決まるまで約2時間かかりました。
最終的にまとまったのは、こちらから上越市長のところへいって事実確認をし、真意を確かめ、今後二度とこういうことのないように口頭で申し入れる、でした。そして委員会のきょうの審議はここでやめ、当議会を代表して議長、副議長、そして私が上越市役所に出向くことになりました。
上越市議会ではちょうど合併議案の討論が行われている真っ最中でした。本会議が終わるのを待って、木浦市長、高橋企画部長に会いました。議会全員協議会があるというので時間はわずか10分しかとれませんでしたが、議長だけでなく、副議長と私も話をさせてもらいました。
市長は大潟町などへ電話を入れたことを認めましたが、「町村長さんたちとは、日ごろから綿密に連絡を取り合っています。電話はそういう中でのもので、激励の電話です」と言いました。私から、「合併協議会の審議をするこの時期に電話をすることがどういうことなのか考えていただきたい」と言うと、「私も議員(新潟県議)をやったことがありますから分かります」とも。そのうち、市長秘書とおぼしき人が「市長、全員協議会が始まりますので…」と声をかけてきました。
最後に、「ともかく慎重にお願いします」と申し入れて終わりましたが、合併特例法にもとづく合併は、市町村の自主合併です。市町村が合併するか、しないかを自らの判断で決定する、これを最大限尊重する事が大事であることを、上越地域法定合併協議会準備会の会長を兼ねている上越市長から自覚してもらわないと、この先、大変です。
きょうは、隣の頸城村で合併関連議案の審議、採決が行われ、15対1の賛成多数で可決。同じく隣の柿崎町も18対1の賛成多数で可決。上越市議会は、賛成24、反対2で可決でした。当町の議会は、13日、14日は休会、15日に審議再開です。